鳥取市の湖山池が汽水化して12年が経過した。ヒシの大量繁茂などによる悪臭の発生は解消され、環境基準値を下回っていた水質も大幅に改善した。汽水化により産地化に成功したヤマトシジミ漁は年間約1億8千万円の売り上げを誇り、漁業者にとって“宝の池”に生まれ変わった。動植物の生態系や経済を含めた周辺環境まで大きな変貌を遂げた湖山池の汽水化を検証する。
汽水湖だった湖山池が淡水化したのは、1983年の千代川の河口付け替え工事が大きな要因。日本海と直接つながり、塩分濃度が上昇したため、水門操作によって淡水化していた。