弓ケ浜半島のほぼ中央部に位置する米子市和田町の国道431号西側の国有地を松林としてよみがえらせる事業が本年度、始まった。国道東側(海側)の県有地はボランティア活動で松林の再生が進んだものの、西側の国有地は松枯れが進行し、手付かずの雑木林となっていた。住民の熱心な要望が実り、国と鳥取県を動かした格好だ。
弓ケ浜半島では大正時代にマツの植林が本格化したとみられ、県によると和田町の沿岸部では昭和20年代後半に海岸防災林として植えられた記録が残る。かつては落ちてくる松葉を住民が燃料に活用。美しい松林が保たれていたが、プロパンガスの普及などで昭和30年代後半から徐々に人が入らなくなった。雑木が成長したほかマツクイムシ被害もあり、次第に本数を減らしていった。