鳥取県内最大の夏秋トマトの産地、日南町で栽培される「日南トマト」の出荷式が17日、同町生山のJA鳥取西部日南トマト選果場であった。甘みと酸味のバランスが整った大玉のトマトに仕上がっており、売上高は過去最高だった昨シーズン並みの2億円を見込む。
標高400~600メートルの準高冷地にあり、朝晩の寒暖差がある同町の特性を生かし、約50年前から栽培されている。今シーズンは38人が約5・2ヘクタールで生産。昨年より多い約13万3300ケース(1ケース4キロ)の出荷を見込む。
選果場では、作業員が赤く色づいた実を箱詰めし、輸送用コンテナの上に次々と箱が積まれていた。昨年から表面の傷などを選別するAI(人工知能)カメラ装置を導入しており、選果作業の効率化に向けたデータ集積に取り組んでいる。
出発式には関係者約40人が出席し、テープカットをして市場へ出発するトラックを見送った。
同JAなどによると、今年は高温などもあり、生育が例年よりも早く大玉傾向にあるという。出荷は11月上旬まで続き、県内や山陽方面に出荷される。
同JA日南トマト生産部の岩田真也部長(40)は「高温の中でも品質の良いトマトができている。おいしいトマトを食べて暑い夏を乗り切ってもらえれば」と話した。