新紙幣採用の北斎版画 島根県立美術館でコレクション展 発行記念に開催

 浮世絵師、葛飾北斎の作品約1600点を所蔵する島根県立美術館(松江市袖師町)は、新紙幣発行記念のコレクション展「北斎が描いた富士と波」を開催している。新千円札の裏面のデザインに採用された「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」をメインに、富士山や波を描いた版画など約40点が鑑賞できる。入館料が必要。8月5日まで。

 北斎が70代前半で描いた「神奈川沖浪裏」は、近景に曲線で躍動する波を描き、遠景は富士と水平のぼかしを入れることで、遠と近、静と動を一つの作品の中で対比させた。その高度な表現に至る過程を知ってもらえたらと、北斎が20代で手がけた最初期の富士図「東都方角 卯之方 三帀(そう)堂之図」をはじめ、同館所蔵品の中から年代ごとに特徴的な作品を選んだ。

 30代後半で描いた狂歌本の挿絵「柳の絲(いと)」は、浜辺に打ち寄せる波の裏側が表現され、「神奈川沖浪裏」の原型と言える作品。晩年の集大成「冨嶽百景」もあり、来館者は北斎の創作の軌跡をたどっている。

 展示に合わせ同館のミュージアムショップでは、北斎の有名な図柄に日付などを加えるオリジナルラベルの缶入り飲料を来場記念の土産として販売している。

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