鳥取大農学部で乾燥地での土地・水資源の適正管理方法を学ぶ外国人技術者らが5日、倉吉市関金町内のため池や農業用水路などを視察した。水路を覆う太陽光発電パネルなど、農業以外の施設の活用方法に関心を示し「自国にも紹介したい」などと感想を語った。
視察は、海外から研修員を招き、日本の知識や技術を学んでもらう国際協力機構(JICA)の「課題別研修」の一環。同学部は1989年からJICA中国センターの委託を受けて毎年、約4カ月間の研修を実施しており、2018年からは倉吉市の天神野土地改良区(組合員633戸)が視察を受け入れている。
この日は、エジプトなど7カ国から来日した技術職の国家公務員ら10人が大山池(同町泰久寺)や天神野円筒分水工(同町大鳥居)などを訪問。同土地改良区の松本幸男理事長(76)が落差を利用した小水力発電や、水路の上に太陽光発電パネルを設置して発電事業を行っていることを説明すると、研修員らは写真を撮ったり質問したりした。
エジプトの土木技師、モハメド・マルヤム・ハムザさん(26)は「発電事業は非常に有用だと感じた。費用の工面は問題だが、ぜひ取り入れたい」と話した。