国土交通省は6日、今年の「日本鉄道賞」の最高賞となる大賞に、JR西日本の「特急やくも~沿線の文化・風景・自然とお客様、鉄道が交感する列車~」を選んだと発表した。4月に新型車両の運行が始まり、地域間をつなぐ特急列車としての役割だけでなく、沿線の自然風景を楽しめる工夫や、最新技術でカーブ通過時の快適性向上につなげた点などが、有識者らの選考委員会で評価された。
選考委は、半個室空間「セミコンパートメント」の大きな窓から、風景を満喫しながら家族やグループで旅行が楽しめる点を評価。技術面では、国内初採用の「車上型制御付き自然振り子方式」で曲線通過時の快適性を向上させ、バリアフリー対策や衝突対策といった革新的な技術を取り入れた点にも注目し、「特急やくもは地域の活性化に大きく貢献する」と指摘した。
JR西は「車両のみならず駅やホームでやくもを楽しむ工夫や、鉄道が持つ『つながる』という機能を“面”へと広げ、地域活性化に貢献したことを高く評価いただいた」とコメントした。
同賞は、鉄道に対する国民の理解と関心を深め、鉄道の一層の発展を期することを目的に2002年に創設され、今年で23回目。鉄道に関する優れた取り組みに対して表彰される。今年は他にライトレールを開業させた宇都宮市などが特別賞を受賞した。