地方紙や教育機関などで構成する鳥取県NIE推進協議会による出前授業が17日、鳥取市東町2丁目の鳥取西高であった。新日本海新聞社の井上昌之編集制作局長(47)がゲスト講師として登壇し、文学国語の単元「記憶の継承を考える」から、報道機関として過去の戦争に向き合うことの意味や新聞が果たす役割について語った。
生徒は、戦争の記憶継承に有効な手段として、当事者の語りや写真、新聞、文学作品などを比較。話し合いや発表を通して考えを深め、学習の集大成として、毎年戦争に関する取材を続ける新聞社の使命や意義について話を聞いた。
井上局長は「物事を正確に伝え残すことがメディアの役割であり、継承にはいくつかの手段を複合的に使うことが有効」と指摘し、「新聞を読み比べて情報を見極める目を養い、記憶をつなぐために自分に何ができるかを考えてほしい」と訴えた。
長谷川奨さん(17)は「新聞が犯罪の抑止力になると聞き、さまざまな役割があると知った。正しい情報を語り継ぐ使命を自分たちも担っている」と話した。
授業は同校の2年生7クラスを対象に計6回実施。同協議会に加盟する新聞社・通信社が講師を担当する。