ねんりんピックのイベントとして、米子コンベンションセンターで高齢者による地域文化伝承活動の実演・展示が行われた。鳥取市のしゃんしゃん傘や流しびな(用瀬町)、和紙(青谷町)などとともに、鹿野町のすげ笠(がさ)も選ばれ、来場者を出迎えた。
すげ笠は、江戸時代初めから伝わる鹿野地域の特産品。頭が蒸れないことから「これでないといけん」と今でも農作業などでかぶる人が多い。昭和初期はすげ田にすげを育て、多くの人がすげ笠作りをしていたが、麦わら帽子の普及とともに作る人が少なくなった。
作り手の減少を受け、2009年にすげ笠を地元の伝統工芸品として若い人たちに継承しようと、「鹿野すげ笠を守る会」(村上秀男会長)が発足。現在新しく6人の会員が仲間入りし、10人が毎月1回講習会を行っている。
村上会長は「若い人が加わってくれて会が若返ってありがたい。鹿野の伝統技術を全国の人に紹介したい」と話した。
会場では、すげ笠が仕上がるまでの「下地」「下地巻き」「へいり付け」「縫い」「とんぼ作り」の工程を順を追って展示した。
(鹿野通信部・池本智美部長)