本紙日本海柳壇の年間最優秀作品に贈られる「第48回茗人(みょうじん)賞」(新日本海新聞社主催)の選考が7日、鳥取市富安2丁目の新日本海新聞社本社で行われ、最高賞の茗人賞に倉吉市中河原、中井孝子さん(90)の「モナリザの笑顔イメージして笑う」、児童・生徒の部大賞に湯梨浜町立羽合小6年、谷本杏さん(12)の「雨の日はいろんなかさの花がさく」がそれぞれ決まった。
中井さんの作品は「画集を思い浮かべながら笑顔をつくってみる、想像するだけで楽しくなる」「笑いのリフレイン効果があってユーモアが深まった」と高評価を集めた。谷本さんは雨の日に傘を差す心情を自分の言葉で詠んだ点が、「表現のうまさを感じる」「傘を持つ人の心の中まで想像させる」と評された。
準賞は、米子市日原、深津れんさんの「聞き流すことも大事な耳の役」と、同市両三柳、後藤美恵子さんの「風は筆砂丘に見事紋を描く」。深津さんの作品は「耳は聞くためのものだが逆から捉えてみれば考えさせられる」、後藤さんの作品は「砂丘の浸食を防ぎ、観光地としての砂丘を大切にしたいものだ」などと共感を集めた。
同柳壇選者の鈴木公弘さん、牧野芳光さん、伊塚美枝子さんが、昨年7月から今年6月の1年間に掲載された作品のうち三才五客に選ばれた約400句と児童・生徒の部の掲載句の中から受賞作を選んだ。
表彰式は12月7日、鳥取市富安2丁目の新日本海新聞社で行う。(北野保司)
その他の入選者は次の皆さん。
【佳作】木天麦青(倉吉市)大塚恵子(米子市)野田薫(鳥取市)松田一三(米子市)中本露花(琴浦町)富代真帆(鳥取市)
雨の日はいろんなかさの花がさく 谷本 杏
新聞に載ること励み
中井孝子さんの話 10年以上前に日本海柳壇に投句を始め、新聞に載ることが励みになり、ここまで育ててもらった。うれしい、ありがとう。嫌な顔や困った顔はせず、いつもモナリザみたいなほほ笑みを持っていたいと生きてきた。大賞の朗報で元気が出た。
川柳続けていきたい
谷本杏さんの話 大賞は2回目になるので、もらえるとは思っていなくてびっくりした。学校の帰り道に雨で、色付きの傘を持つだけで気分が上がったことを思い出して作った。最近は習い事が忙しいけれど、おばあちゃんと一緒に川柳も続けていきたい。