「ナカメ」の愛称で知られる東京・中目黒(目黒区)には都内有数の花見の名所、目黒川桜並木がある。桜の開花時期ではなくとも楽しめるスポットを巡った。
東急東横線中目黒駅から、すぐ近くを流れる目黒川沿いを歩いた。川の両岸3・8キロにソメイヨシノが約800本植えられている。川面に覆いかかるような枝ぶりを眺めていると、春が待ち遠しくなってしまう。
季節を問わず「花見」ができる場所があると聞き、現代日本画が専門の「郷さくら美術館」を訪ねた。展示室「桜百景」には、全国の桜の名所や名木を描いた十数点がある。日本画家、那波多目功一さんらの大型の絵を鑑賞し、気持ちが華やいだ。
山手通りを渡り、徒歩約10分で目黒区総合庁舎に着いた。かつて旧千代田生命の本社ビルだった建物は、文化勲章を受章した建築家村野藤吾の代表作の一つだ。区は2003年から庁舎として活用している。
細部までこだわった造りで「階段の魔術師」と呼ばれた村野による、美しいらせん階段は緩やかな曲線が印象的だ。南口エントランスホールの床と壁は白大理石張りで、区は結婚式やフォトウエディングの会場として貸し出している。
山手通りに戻り、北へ向かう。飲食...