受賞2団体、活動紹介 日高 植村直己冒険賞23年度特別展

 自然を舞台に創造的な勇気ある業績を残した個人や団体に贈られる「植村直己冒険賞」の受賞者の功績を顕彰する特別展が、豊岡市日高町の植村直己冒険館で開かれている。2023年度の受賞2団体についてパネル展示や映像で紹介。さまざまな苦難の末にたどりついた未知の世界にいざなっている。3月31日まで。

 紹介しているのは、探検家の山田高司氏(66)、ノンフィクション作家の高野秀行氏(58)による「イラクの巨大湿地帯『アフワール』探検」と、渓谷探検家の田中彰氏(52)、山岳ガイドの大西良治氏(47)による「ヒマラヤの大渓谷『セティ・ゴルジュ』探検」。

 山田氏と高野氏は2018~23年、アフワールで暮らす人々と交流しながら、伝統的な舟「タラーデ」を再現し乗船。チグリス川とユーフラテス川の源流域をカヌーで踏査した。会場では、4500年前と変わらぬ生活様式を残す人々の暮らしぶりや、設計図もなくあり合わせの材料を使い短期間で仕上げていく、大胆だが優れたタラーデの造り方などを紹介している。

 田中氏と大西氏は22~23年、「悪魔の谷」とも呼ばれる大渓谷の未踏地に入り、周辺の地層を克明に記録。科学史に残る成果と評価された。展示では、最深部の深さ400メートル以上の渓谷をロープなどで降下し、時には激流を泳ぎながら谷底に到達するまでを、周到な準備の様子とともにパネルに記している。

 冒険賞は、世界的な冒険家植村氏を顕彰し、出身地の同市が1996年に創設。23年度が28回目。

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