若冲の作品 西陣織で再現 鳥取で掛け軸や額装展示

 江戸時代中期に活躍した画家・伊藤若冲(じゃくちゅう)の作品を、伝統工芸の西陣織で再現した展示会(実行委員会主催)が16日、鳥取市のとりぎん文化会館で始まった。動植物を描いた「動植綵絵(さいえ)」や「釈迦(しゃか)三尊像」などの掛け軸、額装計約50点を展示。細やかな絹糸で再現された作品の美しさに来場者が引き込まれている。20日まで。

 西陣織の技術を広めようと、西陣美術織工房(京都市)が2016年の若冲生誕300年と17年の西陣織誕生550年に合わせて制作し、全国で巡回展を開いている。

 早朝に松の枝に止まる雄鶏を描いた「旭日雄鶏図」や、梅花と6羽の鶴を描いた「梅花群鶴図」などの作品を再現。髪の毛の半分ほどの細さの絹糸を縦約2700本、横約1万5千本使って織り上げ、立体感や陰影、濃淡を表している。会場には拡大鏡があり、細部まで鑑賞を楽しむことができる。

 実行委の岩崎圭祐さん(60)は「若冲の絵を通じて、西陣織の職人の精緻な技術に触れてもらえたら」と話している。

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