鳥取県内での確認は3例目となる希少な巨大キノコ「オオミヤマトンビマイ」の標本が、鳥取市東町2丁目の県立博物館で展示されている。傘が直径約50センチ、高さ約30センチの巨大キノコの出現に、来館者は興味津々な様子で見入っている。9月10日まで。
2021年6月24日、同市河原町北村で「大型のキノコを見つけた」と同館に情報が寄せられ、すぐに職員1人が駆け付けた。太い柄に大きな革状の傘が幾重にも重なり、発見時は直径60センチと想像以上の大きさだったため、翌日2人がかりで採集したという。キノコの展示は乾燥標本が主だが、巨大で壊れやすいことなどから、業者に依頼して樹脂を浸透させる手法で標本化した。
同館学芸課の清末幸久学芸員(62)が、日本きのこセンター菌蕈研究所(鳥取市)に照会したところ、県内で確認されたオオミヤマトンビマイは1994年9月(同市高住)、2019年10月(智頭町芦津)に続き3例目。ベニタケ目ミヤマトンビマイ科に属し、若く柔らかい間は食用にもなるという。
清末学芸員は「夏休み期間中も展示されるので、子どもたちにもキノコの進化に触れてほしい」と話した。