迫る制限時間、意地の完走 全日本トライアスロン皆生大会 声援に感激、感謝

 「第41回全日本トライアスロン皆生大会」(皆生トライアスロン協会主催、新日本海新聞特別後援)が16日、鳥取県西部を舞台に開催された。制限時間の午後9時35分が迫る中、フィニッシュ会場のどらドラパーク米子陸上競技場には過酷なレースを乗り切った鉄人たちが次々と到着し、拍手と声援に包まれながら家族や仲間とゲートをくぐった。

 

 3回連続で出場している石井伸佑さん(47)=広島県=は昨年、妻のかよさん(52)がサンダルをはいていたために一緒にフィニッシュできなかった。「今大会へのモチベーションにつながった」と、今年は万全を期して念願の手つなぎフィニッシュを果たした。

 午後8時15分ごろにフィニッシュした角田保治さん(54)=熊本県=は20回連続の完走を誇り、以前は100位以内に入ったこともあった。今年は練習不足もあり、日暮れ後のフィニッシュを覚悟し、反射材を身に付けるなど対策を講じて臨んだ。「他にはない歴史を感じる大会。これからも意地で完走を目指す」と充実感を漂わせた。

 皆生大会を支える人々への感謝の思いを強くした選手もいた。米子市上福原3丁目の石橋誠さん(57)は2回目の出場。昨年は距離が短かったことなどもあり、初めてのフルコースと酷暑のレースを体験した。マイペースを心がけて足を進め「完走できたのはボランティアのおかげ。知らない人でも全力で応援してくれる。感激で涙が出そうだった」と感慨深い表情を浮かべた。

 「あと1分ですよ、頑張って」。制限時間が近づくにつれ、大会の名物アナウンサー、中岡みずえさんの声にも力が入った。
 残り20秒でフィニッシュテープを切った初出場の入山太郎さん(56)=愛知県=は、練習のし過ぎで疲れが抜けず、途中で体調を崩しながらのレースだった。道中では沿道だけでなくマンションや軒先からも声援を送られたといい「全力で応援してもらえて温かかった。大変だったが、体験できて良かった」と振り返った。

 初めて皆生大会に参加した太田卓秀さん(64)=東京都=は、制限時間を30秒過ぎる無念のフィニッシュ。「想定外の暑さに足が進まなかった。これも実力です」と悔やみながらも、来年の完走を誓った。

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