筆者が推す「心に残る風景」の一つ、「車山高原とビーナスライン」を紹介しよう。神戸市から往復約700キロのロングドライブをしてまでも訪れたくなる、とっておきの風景が“心の洗濯”を体感させてくれる。
神戸、大阪、名古屋、中央自動車道で岐阜から長野県へ。諏訪インターで降車して30キロ、白樺湖まで走る。1925メートルの車山山頂からの見晴らしは抜群で、富士山、北アルプス、中央アルプス、南アルプス、八ケ岳連峰、御嶽山、乗鞍岳、妙高山など一望に見渡せる360度の大パノラマが広がる。
この景観の良さから、1999年に気象庁により山頂に気象レーダーが設置され貴重な施設となっている。本州のほぼ中央にあたる八ケ岳中信高原国定公園は、長野・山梨両県にまたがる八ケ岳連峰から、蓼科山、白樺湖、霧ケ峰、美ケ原に至る一帯を中心とし、最高の景観に恵まれている。
車山高原はこの大自然の中、標高1925メートルの主峰車山を中心とし、ビーナスラインに沿って、なだらかな起伏を見せている。美ケ原から八島ケ原湿原を通り、霧ケ峰、そして車山高原・白樺湖・蓼科高原から茅野に抜けるビーナスライン。さわやかな高原の中を走る、快適この上ないドライブウエーだ。車山高原はこのビーナスラインの中でも、最も美しい高原と言われ、展望、高原植物など豊かな自然に恵まれた景観は心にしみる思いがする。
昼食、グルメも紹介しておこう。まず、おしゃれに昼食は「オーベルジュ・ドウ・ラ・メイジュ」がお薦め。地の食材をベースに高原を吹き渡る風で作った燻製(くんせい)をアクセントにした「燻製と旬菜フレンチ」(3675円)。オードブル、ポタージュ、ポアソンまたはヴィアンド・デセール(デザート)、パン・コーヒーor紅茶。八ケ岳を望むテラス席でのランチは時間が止まったように、風景がスローモーションに感じること間違いなし。
夏の信州車山高原、ぜひ訪れてほしい。
(ホテル・旅館プロデューサー)