書で初めて自詠歌表現 書家・鳥大名誉教授 住川さん 東京で個展

 鳥取市在住の書家で鳥取大名誉教授の住川英明さん(66)が個展「池畔好日」を東京・銀座の鳩居堂画廊で開き、自作の短歌を書にしたためた23点が来場者をうならせた。

 新潟県出身の住川さんは1984年に鳥取大教育学部助手に着任し。以来鳥取市を拠点に創作を続け92、93年には書道学会展で文部大臣奨励賞を受賞した。

 2年半前に実父が他界。それまでは俳人や歌人の作品を書にしてきたが、「自分の思いを言葉にしてみたい」と心境が変化。昨年秋に約2カ月をかけて30首を詠み、自ら揮毫(きごう)した。

 病床にあった父の胸中に思いをはせた「病室の壁の白きを如何にせむ うつつの父は夜ごと怖れたり」や、長年勤務した鳥取大近くの湖山池の情景を詠んだ「薄明の湖面に浮かぶ津生島は 遠き灯を背に闇に屈まる」など言葉を磨いた作品が会場に並んだ。

 住川さんは「歌は大変で苦しみもあった。詠み手と書き手を重ねる試みは続けていきたい」と話した。

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