秋が深まり、鳥取県内の山々や街路樹は赤や黄色に色づいてきた。紅葉シーズンを迎えた観光名所では絵画のように美しい景色を写真に収める人たちでにぎわっているが、「例年と比べて色づきが遅い」「濃い赤色が少ない」などの声も聞かれる。今年は平年より気温が高い日が続く。紅葉の見頃に影響はあるのか、周辺を取材した。
県東部の紅葉名所の一つ、智頭町芦津の芦津渓谷では11月に入り、ようやく訪れ始めた秋への移り変わりを感じさせる景色が広がってきた。旅行で初めて1日に芦津を訪れた兵庫県西宮市の関侑弘さん(76)、律子さん(74)夫妻は「杉林の先に広がる紅葉と水面とのコントラストがすてき」と魅了され、夢中でシャッターを切っていた。
鳥取市国府町の雨滝にも県外や海外からの観光客が自然散策に訪れている。雨滝は今年8月の台風7号で土砂崩れなどの被害を受けて閉鎖中だが、広島県福山市の坂中敏幸さん(60)は「雨滝は見られず残念だったが、来年再訪したい」といい、「いろんな場所にツーリングで行くが、今年の紅葉はどこも色づきが悪い気がする」と話した。
紅葉の遅れや色づきについては、毎年の様子を知る地元の人からも心配の声が上がる。