果汁200%超 梨ワイン完成 北栄・梅津酒造 酒造り技術生かす

 規格外の梨を使い、日本酒の製造技術で造った梨ワイン「Pears’(ペアーズ)」が完成した。鳥取県特産の二十世紀梨と新甘泉を仕込んだ商品で、二十世紀梨は爽やか、新甘泉は甘さを感じられる味に仕上がった。試行錯誤の末の自信作で、製造した梅津酒造(北栄町大谷)の梅津史雅社長(31)は「ようやく発売にこぎつけた。こだわりの詰まった1本」と胸を張る。

 同社は創業155年。日本酒は全て純米づくりで、長芋や梅、ユズなど地元の食材を使った焼酎やリキュール、スピリッツを製造している。今回は規格外となった梨を日本酒の製造技術で商品化につなげようと試作を重ね、ついに梨ワインが出来上がった。商品づくりに向けては昨秋、クラウドファンディング(CF)に挑戦。全国から延べ393人、達成率595%の支援があり、商品化を後押しした。

 梨の果汁を200~250%に濃縮することで、果汁だけでの発酵を可能にした。日本酒製造の技術である「火入れ」で殺菌しており、酸化防止剤は無添加。清酒酵母を使っているのも特徴という。

 梅津社長は「製法は他に類を見ない。チャレンジ精神で取り組んだ商品で、どきどきしながらの作業だった」と振り返る。既にCFのお礼として4月に商品を送っているといい、「半年以上がたって熟成が進み、また違った味わいになっている」と笑顔で話した。

 ◇梨ワインは360ミリリットル入りで、二十世紀梨は税込み2970円、新甘泉は同3520円。同社商品の取り扱い店舗や、道の駅「琴の浦」で販売している。

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