自由な発想で意見交換 浦安小 美術作品の「朝鑑賞」

 琴浦町の浦安小が、絵画などの美術作品を鑑賞し感じたことを自分の言葉で表現する対話型の「朝鑑賞」に取り組んでいる。正解はなく、じっくり見て伝え合うことで、異なる考えや見方にも耳を傾ける姿勢を養うことにつなげる。

 朝鑑賞は、今年9月から月1回のペースで実施。朝読書の時間を活用し、1回当たりの時間は15分。児童らは作品を1分間鑑賞し、「どう見えたか」「何を感じたか」「それはなぜか」などを伝え合う。鑑賞作品は、鳥取県立博物館所蔵の絵画や版画のほか、同町出身の写真家・塩谷定好の写真など多岐にわたる。

 11月29日には、3年B組の児童21人が同町在住の黒松斗美さんが猫を描いた水彩画「隠れ家」を鑑賞。児童らは次々に手を挙げ、自分の感想を発表した。ある児童が「猫は涙が出そう」と発表すると、教諭は「それはなぜ?」と質問。それに対し、「目がぬれているみたい。寂しそうな顔に見えた」と答えた。

 他の児童も「周りの茶色は木ではないか」と言ったり、猫を取り巻く赤い円を「マントル」と表現。「全体が丸くて地球の中に猫がいる」など、自由な発想で自分の考えを披露した。朝鑑賞について、山下彩希さん(9)は「友達の意見を聞くと、自分の発想も広がって面白い」と目を輝かせた。

 斎尾二美世校長は「コロナ禍で児童同士の対話の時間が失われたが、朝鑑賞を始めてから明るくなった。感情を出して、気持ちを共有することの大切さを再認識した」と効果を実感。今後も朝鑑賞を続けながら、「写真と活字がある新聞を読む『朝新聞』にも取り組みたい」と語った。

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