十神砦に鳥取城? 国土地理院地図に誤り まちなかガイド指摘、修正へ

 国土地理院が発行する電子地図で鳥取市の鳥取城跡の表示位置について、鳥取まちなかガイドの会(内田克彦代表)の会員が疑問を抱き、国土地理院に指摘した。地理院からは表示位置が適切でなかったとして修正する連絡があった。現在の地図で鳥取城跡の表示は本丸があった久松山(標高263メートル)の山頂付近ではなく、東側の山裾の「十神砦(とかみとりで)」と呼ばれる位置に記載されている。

 ガイドの会の松尾健雄さん(69)=鳥取市国府町在住=が11月下旬、ガイドの参考にと久松山周辺の電子地図を確認中、十神砦の位置に「鳥取城跡」と記載されていることに気づいた。疑問に思った松尾さんは11月27日、ネット上の地理院の問い合わせフォームで指摘。翌28日、地理院から「指摘を受けて状況を確認し、現在の表示位置が適切でないことが分かりました。適切な位置に修正し、準備が整い次第、提供・公開いたします」との返答が届いた。

 地図で鳥取城跡と記載のあった十神砦は久松山山頂から北東の尾根の先端部に築かれ、鳥取城の東側の守りの要となっていた。現在は長田神社経由の久松山東坂ルートや本陣山から久松山への縦走ルート上にある。

 国土地理院国土基本情報課によると、「史跡・名勝・天然記念物」については地図記号(三つ点)とその名称を表示し、文化財保護法の指定区域の中央付近に表示するルールがある。国史跡の鳥取城跡についても指定区域のおおむね中央付近に表示されているとした上で、今回の指摘を受けて文化庁に確認して利用者により分かりやすい位置への修正を検討しているという。修正後1カ月程度で地図に反映される。

 松尾さんは国土地理院の迅速な対応に感謝し、「地図について疑問があればネットで問い合わせ、結果として地図が訂正されれば地図の精度向上に役立つと実感した」と話している。

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