植野さん〝若鉄の旅〟 来年の鳥信カレンダーイラスト まちPRにも期待

 鳥取信用金庫(鳥取市栄町)の2024年版カレンダーに、自閉症で若桜町内の作業所に通所する植野浩輔さん(36)=同町落折=が手がけた若桜鉄道のイラストが起用された。細部までこだわり丁寧に描き上げられた列車5本が登場し、関係者らは「まちのPRにもなる」と喜んでいる。

 同金庫では、1998年から障害者の描いた作品をカレンダーに起用している。植野さんの母親と知り合いだった同金庫の職員が、企画担当者に植野さんを紹介したことがきっかけで実現した。

 カレンダーはB2判で、中心には上品な緑色の「若桜号」が大きく描かれ、周りに「昭和号」「八頭号」のイラストを配置。カラーペンと色鉛筆を使用して写実的に描き、楽しい列車の旅を想像させる作品に仕上がっている。

 植野さんは幼い頃から乗り物が好きで、鉄道に興味を持ってからは絵を描いて雑誌に投稿するようになったという。「実物と同じ色彩になることを意識し、本人は自分の描きたいものを好きに描いているだけ」と母親の京子さん(62)。

 カレンダーは1万2500部用意し、県内各地にある同金庫の支店やATMコーナーなどで訪れた利用者に無料配布している。業務企画課の美田有希さん(28)は「多くの方に見てもらい、若桜町に興味を持ってもらえれば」と期待する。

 また、若桜町内では観光協会など、観光客の目に触れる場所にも掲示。若桜鉄道の矢部雅彦専務は「細部までよく見て描いてくれている。若桜鉄道のPRにもなってありがたい」と感謝した。

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