和紙と古布生かし 味わいある作品に 加納美術館で「秋の人形展」

 安来市広瀬町布部の加納美術館で、秋の人形展「吾郷江美子・もとつねけいこと夢をはこぶ仲間たち」が開かれている。2人の作家によるそれぞれ紙と古布を素材にした味わいのある作品が来館者を楽しませている。24日まで。

 吾郷さん(出雲市)は和紙の素材を生かした紙塑人形作家。作品28点が並ぶ。祈るような表情の「縁結びの巫女(みこ)」は日本伝統工芸展に初入選した作品で「一心不乱で制作」とコメントを添えた。作品は凛(りん)としたたたずまいを感じさせ、将棋の藤井聡太さんをモデルにした作品もある。

 もとつねさん(雲南市)はサークル仲間などと一緒に「おこたでミカン」「花嫁支度の時間」「にっぽん原風景」などのテーマで古布人形の群像を制作。昭和の時代を彩ったほのぼのと温かい農村社会の風景や家族、子どもたちの姿が古布と共によみがえる。

 同館の千葉潮館長は「作品には日常の生活や自然をめでる気持ちが表現されている。お気に入りのものを探して楽しんでほしい」と話した。(上本康成)

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