創薬研究の加速に 鳥大医学部 ヒト染色体持つMAC構築で新技術

  • マウス人工染色体にヒト染色体を搭載する工程の短縮について説明する香月教授=17日、米子市西町の鳥取大医学部付属病院

 鳥取大医学部生命科学科(米子市西町)の香月康宏教授らの研究グループは17日、巨大な遺伝子を積み込むことができるマウス人工染色体(MAC)にヒト染色体を搭載する工程に要する期間を従来の1年以上から半年以下に短縮する技術を発表した。筋ジストロフィーなど疾患の染色体を持ったモデル動物などの製作への応用や、創薬研究の加速につながると期待される。

 MACは、マウス由来の染色体から不要な遺伝子を削除し、自由にたくさんの遺伝子を運ぶことができることから、ヒト染色体などを持ったマウスの製作に活用されている。

 MACにヒト染色体を搭載する工程は大きく分けて二つある。一つは細胞からヒト染色体を別の細胞に移して取り出すステップを複数回繰り返す。その後、MAC保持細胞と融合させ、ヒト染色体とMACで遺伝子が切断して断片が交換・結合する「転座」をさせて完了する。

 この工程はヒト染色体を提供する細胞が高い増殖性を得るために、マウスの不死化細胞とのハイブリッドなど染色体を加工したり、1本ずつ染色体を調べたりといったステップが必要。そのため、複雑な上に1年以上を要する方法となっていた。

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