脳卒中などで後遺症がある患者で、仕事や生活のために車の運転の再開を希望する人に向けて錦海リハビリテーション病院(米子市錦海町3丁目)が昨年末、最新のドライビングシミュレーターを導入した。実際に車を運転している感覚に近く、車と同じ装備を使用。元の生活への復帰を目指してサポートできると関係者は期待を寄せる。
2014年の改正道交法施行で、脳卒中を発症後に車の運転を希望する場合、作業療法士らによる高次脳機能や身体機能など総合的な評価と医師の診断、免許センターでの適性検査が必要となった。
同病院でも運転できるかどうかの評価をしてきたが、これまでのシミュレーターでは、アクセルとブレーキのペダルが同じ高さになっているなど、実際の車と違う点があった。
今回導入したのはホンダの製品で、シートやハンドル、シフトノブなどは実際の車と同じものを採用。ソフトも充実し、利用者の運転の現状が数値化され、各種検査との比較もできるようになった。
担当者は、交通手段が限られたこの地域では運転再開のニーズが高いと強調。「病後に元の生活に戻ってもらう意味でも、この装置で運転を訓練してもらえる意義は大きい」と話している。