元日に発生した能登半島地震は、海に囲まれた半島特有の地理的な条件も重なって道路の寸断や海底の隆起などで孤立集落が多数発生、1カ月経過した今も多くの被災者が避難生活を余儀なくされている。鳥取県内でも陸路が1本しかない地域では、道路が通行止めになれば深刻な孤立を生む危険性がある。海岸沿いや山間地の集落では孤立への対応を個々に見直す動きも出てきた。
地震発生直後、岩美町では管理職ら約35人が役場に集まり、町内パトロールや高台から津波警戒に当たった。担当課は「津波や土砂崩れ、台風など特定の地域にどんな災害が起きるか、全てを行政が想定するのは難しい。災害時の初動と臨機応変の対応が重要」と気を引き締める。
日本海に面した岩美町田後地区(2023年12月現在192世帯、357人)は、地区外につながる県道155号の網代方面と浦富方面の両方が寸断されれば、能登半島と同様に孤立状態となる可能性がある。