【解説】未来見据え幅広施策 県財政覆う雲晴れず 鳥取県新年度当初予算案

 2024年度の鳥取県一般会計当初予算案は、4年ぶりに新型コロナウイルスの影響を受けずに編成された。県政課題の対処にとどまらない未来を見据えた施策が並び、全体を通してポストコロナの到来を実感させる内容となった。ただ県財政は綱渡りの状態が続く。県の貯金にあたる財政調整型基金の取り崩しで何とか編成した格好で、弾力性の確保に不安が残る。

 主要施策のうち、平井伸治知事が5期目に注力する「若者世代の活躍事業」は、23年度に庁内外に設けた若手人材チームの提言を踏まえた移住定住策などが本格始動する。国に先駆けて行ってきた子育て関連施策は、不妊治療拡大など一層の飛躍を遂げた「シン・子育て王国」として第2章の幕が開けた。

 そのほかにも20年、30年先を見据えた未来志向の事業が多く並ぶ。

 同予算案からコロナ禍の影は薄くなったが、県財政を覆う雲は晴れていない。

 物価高騰により県関連施設の光熱費は前年度比3億6千万円増、給与改定により人件費は同12億3千万円増と、経常的経費の増加が財政を圧迫する。退職手当も対象者増で同40億7千万円増え、毎年度10億円ペースで増え続ける社会保障費も重くのしかかる。

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