鳥取県内で初開催となる「古代エジプト美術館展」(新日本海新聞社、鳥取信用金庫、古代エジプト美術館 渋谷主催、鳥取県立博物館共催)が6日、鳥取市の同博物館で開幕し、約千人が詰めかけた。古代エジプト美術館 渋谷(東京都渋谷区)ファウンダー、菊川匡氏によるギャラリートークもあり、熱心に耳を傾けていた。
約3千年の歴史文化に迫る貴重な展示物を、菊川氏の解説を聞きながら一目見ようと、開始前から展示室入り口には多くの来場者が行列をつくった。
ピラミッド遺跡発掘調査隊の隊長も務める菊川氏は神像や装飾品、人型木棺など世界的に貴重な古代エジプトの遺物について、神話や当時の生活、宗教観などに触れながら解説。「ネコの頭のミイラは意外といい匂いがする」などのエピソードも披露した。
直径約1・3メートルの巨大な神殿の柱の基部の展示の前では「巨大すぎて海外からはなかなか運んでこられない史料。(当時は)だるま落としのように重ねて柱を造った。側面の模様には色が残ってる部分もあるので、探してみてほしい」と話した。
鳥取になぞらえて「鳥の姿の神」について話すなど、菊川氏は約1時間軽快なトークを披露。来場者らは熱心にメモをとりながら、解説に聞き入っていた。
同市内から訪れた50代主婦、松本久美恵さんは「エジプトの死生観の解説を聞き、木棺に入ったりミイラをつくったりする行動の意味を感じて学びがあった。解説のメモを見ながら、また見に来たい」と話した。