鳥取市内の60代女性から「北海道が本場のニシンが、市内で鳥取産として安く販売されている」との情報が本紙に寄せられた。ニシンといえば北海道近海で取れるイメージが強く、実際に全国の漁獲量の99%以上が北海道産だ。なぜ鳥取県で地元産のニシンが店頭に並ぶのか。海水温に変化があり、生息域が変わったのか? 魚の専門家らに取材した。
女性が鳥取産ニシンを見たのは、道の駅西いなば気楽里(鳥取市)。同駅に出店している鮮魚店が3~5月、県内各港で水揚げされたニシンを1匹100円前後で販売しており、女性は「初めて見た」と驚いた。
鳥取産ニシンがあまり流通していない理由について、総合食品卸の徳田商店(同市)の徳田豪社長は「県民はカレイやハタハタなどなじみのある魚以外は手を伸ばさないので、需要が少ない」と説明してくれた。