人形へ感謝 気持ち込め シティホール鳥取で供養祭

 長年愛用した人形を弔う「人形供養祭」が15日、鳥取市宮長のシティホール鳥取で営まれた。ホールにはひな人形やフランス人形、鯉のぼりなど182家庭から託された約1万体が積み上げられ、感謝の気持ちとともに丁寧に供養された。

 日本では古くから「人形に魂が宿る」とされており、供養祭には35人が参列。読経の中、それぞれが思い出を胸に焼香した。参列者の一人、同市桜谷の木村環さん(74)は、両親から自身の息子へ贈られた五月人形など20体以上を供養。「心の中がすっきりと晴れた」と最後の姿をカメラに収めた。長らく暗い蔵の隅に保管していた市松人形を持参し、「ごめんね」と手を合わせる女性もいた。

 同ホールを運営する「ぎしき」の岡井真希社長は「作った人、贈った人、愛用した人。思いが詰まった人形を手放さなくてはならない家族の罪悪感や寂しい気持ちなどを少しでも楽にしてあげたい」と語った。

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