家族介護の一助に アドバイス本出版 コミュニケーション術 事例を基に研究者ら

 介護をする人とされる人が円滑なコミュニケーションを図ることができるようにと、介護事業などを手がけるN.K.Cナーシングコアコーポレーション合同会社(米子市西町)の神戸貴子代表らが、“アドバイス本”『介護のことになると親子はなぜすれ違うのか』を出版した。これまで神戸代表が見聞きした事例を基に、人の心理効果を利用して望ましい行動を促す「ナッジ」と呼ばれる手法で、気持ちのすれ違いを生じさせないポイントを紹介している。

 神戸代表と、青森大の竹林正樹客員教授、山口大の鍋山祥子教授ら、介護の実践者と研究者による共著。2022年に行った3人によるオンラインのトークライブをきっかけに、親の介護に悩む人たちの手助けになればと企画した。

 同著では、要介護認定や金銭管理など、介護を受け入れるまでに家族間で衝突が起きやすい八つの事例を提示。運転免許については直接、返納を切り出すのではなく、点検に出すなどして車との距離をとることや、タクシーを使うことの罪悪感をなくすことといった手法を示している。

 神戸代表は「介護になっても親子のつながりをあきらめない。皆さんの親孝行の一助になれば」と話している。

 ◇『介護のことになると親子はなぜすれ違うのか』(Gakken)は、A5判176ページ、1650円。

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