山陰屈指の観光名所として名高い足立美術館(安来市古川町)の足立隆則館長が、同館の改革の軌跡をつづった著書「庭園日本一 足立美術館の挑戦」(日経BP日本経済新聞出版)=写真=を発刊した。
1970年の開館から55年周年を機に全国発売した。米国専門誌のランキングで2003年から22年連続で日本一に選ばれている日本庭園については、足立館長の祖父で創設者の故足立全康氏が「庭園もまた一幅の絵画」との信念で晩年まで庭造りに注力してきたことや、一期一会の美しさを陰でしっかりと支える取り組みなどを紹介している。
また、日本画をはじめとする多彩な収蔵作品の魅力や、将来性ある画家の育成を願い日本美術院展覧会(院展)に「足立美術館賞」を創設した経緯、縁があった多くの人々とのエピソードなどを盛り込み、新たな時代の美術館の在り方を探究している。
足立館長は「タイトルは祖父の遺志を引き継ぎ、託された文化遺産を後世に伝え残したいという覚悟と決意を込めた。一人でも多くの方に読み継がれることを願いたい」と話した。巻頭と巻末のカラーページには、美しい四季の庭園風景や主な収蔵作品の写真を収録。四六判、328ページ、2420円。