江戸~大正期、商都米子の繁栄を支えた水路である一級河川の加茂川の源流を訪ねるサイクリングツアーが22日あった。市民ら約20人が参加し、歴史に触れながら延長約10キロの川をさかのぼった。
加茂川への愛着を深めてもらおうと加茂川まつり実行委員会などが企画した。
ツアーは河口に近い同市立町2丁目の加茂川広場から出発。安来市伯太町安田山形の鷲頭(わしがしら)山(258メートル)の水源地まで、川沿いの道をたどった。
道中の米子市新山では、川越家に伝わる1834(天保5)年の貴重な村絵図を拝観。古代山陰道や当時の村の様子、加茂川の流れなどを確認した。
川が一気に細くなった県境の安田山形では、地元の原本幸二さん(73)らが堤防でせき止められ木々に覆われた水源地を案内。「往時は郵便配達員が通った道があった」と解説した。
河口に近い米子市内町の宅和康治さん(67)は「初めての源流体験。島根県から流れているとは知らず、改めて加茂川への思いを強くした」と話した。
市中心市街地で展開される加茂川まつりは今年、8月24日に開催。7月20日にはボランティアによる恒例のクリーンアップで川の藻刈りを行う。
(上本康成)