11日は「山の日」。コロナ禍が明けて全国的にインバウンド(訪日客)が増加する中、富士山などでは十分な装備を持たずに無謀な弾丸登山をしようとする外国人登山客が問題となっている。大山町の国立公園・大山(1729メートル)にも多くの外国人登山客が訪れており、山岳関係者らがさまざまな啓発に力を入れている。
「訪日客は必ずしも登山目的で来日するわけでなく、旅先の一つとして登山を取り入れ、十分な装備を持っていない場合がある」。県山岳・スポーツクライミング協会遭難対策委員長の神庭進さん(47)は指摘する。
大山でも軽装の外国人登山客が散見され、神庭さん自身も今年5月、雨予報にも関わらず登山用の装備ではないアジア系の若い男性がスマートフォンを確認しつつ単独登山しているのを見かけ、思わず声をかけたという。神庭さんによると全国山岳遭難対策協議会では、各国に異なる登山文化があり、自国の感覚のまま日本の山に登ろうとすることでリスクが高くなるとの指摘があった。