審査員うならす表現力 全国公募書道展「放哉を書く」 多彩な書風で世界観

 11日に鳥取市内で開かれた第17回全国公募書道展「放哉を書く」の審査会。自由律俳句で独自の境地を切り開いた放哉の世界を、線の太さや濃淡、かすれなど多彩な書風で表現した作品が集まり、審査員をうならせた。

 日本詩文書作家協会の石飛博光常任顧問や独立書人団参事の柴山抱海氏ら8人の審査員が会場で全作品を採点。上位作品を横一列に並べて見比べ、各賞の受賞者を決めた。

 一般の部で大賞に選ばれた静岡県沼津市の風岡将平さん(34)の作品について、柴山氏は「これまで培ってきた経験と書への力量が感じられ、大変落ち着いた作品に仕上がっている」と絶賛。高校の部大賞の鳥取東高3年の西村爽花さん(18)の作品については、柴山氏は「『傘にばりばり』と、雨音の強いイメージが作品を通して伝わる。言葉と書の構成が高校生の考えを超えるような作品」と将来に期待を込めた。

 全ての作品を通して、石飛氏は「放哉の句は気持ちをストレートに表現しており、そのような書作品が多く寄せられたと思う。書を通して、詩の中の心を表現できるように、今後も構成や手法を楽しみながら取り組んでほしい」と講評した。

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