県産芝 Jリーガーに好評 J1広島の新本拠地 「チュウブ」が供給、施工

 芝生の生産・販売などを手がけるチュウブ(琴浦町逢束、小柴雅央社長)が育てた芝が、今年2月に開業したJ1サンフレッチェ広島の新本拠地「エディオンピースウイング広島」(広島市中区)のピッチに使われている。砂丘地で育った芝は密度が高くクッション性や耐久力に優れ、Jリーガーからも好評。プロスポーツの試合が行われるスタジアムで、鳥取県の芝が確かな地位を築いている。

 同社はこれまで国立競技場(東京都)のほか、味の素スタジアム(同)や秩父宮ラグビー場(同)、阪神甲子園球場(兵庫県)など有名なスタジアムの芝を手がけてきた。エディオンピースウイング広島の建設では、整備事業者の大成建設などの共同企業体が、中国地方に栽培地があり、芝の供給や施工の実績が豊富なことから同社を選んだ。

 今回採用された芝は、擦り切れに強く、成育が早い西洋芝「ティフトン419」で、北栄町の砂丘地で栽培。芝は日本の厳しい夏を越えるごとに生命力が増し、通常は夏を2回越した芝を出荷しているが、同スタジアムには3回越したものを準備した。

 砂地は保水力が乏しく管理に手間がかかる半面、芝生地下の根が厚く、長く生育するのが特徴。同社では「ビッグロール工法」を採用し、厚さ3センチ分の土壌を切り出して出荷する。根の層にしっかりとエネルギーが保たれているため、同スタジアムのピッチに張った後も順調に成育した。

 ピッチの下地には、粒が均一な砂「島根4・5号」を使用。北栄町の砂となじみやすく、踏まれても硬くなりにくい。選手はけがをしにくく、ボールが必要以上に弾まないためプレーしやすいという。

 同スタジアムでは現在までに、J1公式戦など20試合以上が行われた。サンフレッチェの選手からは「すごくやりやすい」「芝生の質が均等でボールの軌道が変化しない」「ストレスなくプレーできる」などの声があるという。

 同社本店営業部の磯井幹人次長は「ピースウイングは平和都市広島を象徴する特別なスタジアム。関心も高く、しっかりした芝を提供しようと細心の注意を払った。施工に関われたことは大変光栄」と話した。

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