大船渡(岩手県)産のサンマを提供し、東日本大震災の被災地との絆と復興への思いを新たにする「東北絆サンマ祭り」が16日、鳥取市賀露町西3丁目の地場産プラザわったいなで開かれた。被災地での復興支援活動を行い、地元と交流を続けるNPO法人あゆみ(村上亜由美理事長)が毎年開催。来場者は秋の味覚を楽しみながら、被災地へ思いを寄せた。
提供されたサンマは、岩手県大船渡市の漁港で水揚げされたもので、同NPOが震災直後から同県陸前高田市の下矢作(しもやはぎ)コミュニティーセンターで炊き出しを実施したお礼にと毎年贈られている。同NPOも鳥取県産の二十世紀梨千個を届け、復興支援で生まれた絆を強めている。
会場では贈られたサンマ千匹を炭火で塩焼きにして無料で提供。サンマが焼ける香ばしい匂いが立ちこめ、午前10時のイベント開始前から長蛇の列ができた。
家族4人で訪れた鳥取環境大経営学科1年の挟間史奈さん(18)は「身がふっくらしていておいしい。今でも交流が続いていてすごい」と笑顔を見せた。村上理事長は「能登半島地震のように災害は突然来る。東北へ思いをはせてもらい、防災意識を高めるきっかけにしてほしい」と話した。