全国都道府県対抗駅伝で通算134人の追い抜き記録を持ち、2月に競技の第一線から退いた岡本直己さん(40)=由良育英高出身、中国電力=が、鳥取マラソンにゲストランナーとして参加した。引退後の初マラソンでは、全体の5番目でゴールテープを切り「沿道の声援が人一倍多くうれしかった」と明るく振り返った。
岡本さんは琴浦町出身で明治大を経て中国電力に入社。箱根駅伝、ニューイヤー駅伝などで実績を残し、マラソンでは東京、パリの五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」に連続で出場した。
鳥取マラソンには、2019年にもゲストランナーとして10キロ地点まで参加。今回は故郷の友人たちが数多く参加していることもあって、一般ランナーとして臨んだ。
現在はフルタイムで働いており、練習は業務終了後の1時間ほど。実業団時代に比べて練習量は、格段に減ったが「出場するからには勝ちたい」と、2時間20分台前半を目指してレースに挑んだ。
42・195キロを走るのは23回目だが、「今回が一番過酷なレースだった」と振り返った。練習不足に加え、苦手な悪天候に苦しみ「最後は少し歩いた」と悔しがる。それでも2時間31分でゴールする意地を見せた。「完走記念タオルを肩にかけて一緒に写真を撮りたい」と、ゴール後は仲間を待ち、地元での大会を共に楽しんだ。
今後は会社員として業務を優先しながらも、4月上旬には駅伝にエントリーするなど“ランナー”は引退しない。「応援してもらえる限り走り続けたい」と新たな一歩を踏み出した。