鳥取大医学部付属病院(米子市西町)は25日、手術支援ロボットアーム「Cirq(サーク)」を使い、腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症の手術を実施したと発表した。同病院によると、支援ロボットを使った狭窄症の手術は山陰地方で初めてという。
狭窄症は、加齢や外傷、変形などで背骨を支えられなくなり、脊髄神経が通る脊柱管が圧迫されることで腰や足に痛みやしびれなどの症状が出る。手術は神経の圧迫を取り除くため、ネジを背骨に入れて安定化させる固定術などがある。
サークはCT撮影した患者の体内の画像を基に、医師が決めたネジの挿入部を正確に指し示し、ネジの穴を開けるためのドリルを通す管を固定する。
サーク導入前はX線で体内を透視しながら、手作業で骨に穴を開けてネジを入れていた。硬い骨に穴を開けたりするため手がぶれることも想定され、神経に影響を与えるリスクもあったが、サークを使うことで手術の精度が高まる。また、リスクの軽減により、手術する医療従事者の負担が軽くなることも期待される。
昨年12月にサークを導入し、今年3月上旬に60代女性の椎間板ヘルニアの手術で初めて使用した。今月25日時点で、同病院で3例の手術を実施した。
鳥取大医学部の谷島伸二准教授は「ロボットを導入したことで、精度の高い手術を提供できる環境が整った。悩みがある場合は、安心して相談してもらいたい」と呼びかけた。