国史跡・米子城跡のある米子市久米町の湊山で、キンポウゲ科のつる性多年草のカザグルマが27日、1輪の花を咲かせた。野生種としては鳥取県内では唯一、同地で自生している可能性が高い。3年続けての開花で、保護を進めてきた関係者を喜ばせている。
市民グループ「米子城山の植物を愛する仲間」(松下順一代表)が市の許可を得て、2021年から天守台そばの自生地に柵を設けるなどして保護に取り組んでいる。
開花したばかりの薄紫色の花は直径約8センチと小ぶりながら、名前の由来が付いたおもちゃの風車の形を見せている。この日あった植物観察会で初めて目にしたという就将公民館の倉敷卓館長(76)は「かれんな花。湊山の宝ですね」と目を細めた。
グループは、市からの支給で26日に保護柵を新調し、二つのつぼみを確認したばかりだった。松下代表(69)は「咲いてくれてうれしい。カザグルマが絶えないよう見守っていきたい」と話した。