癒やしの板画 生家彩る 気高の長泉寺で岩垣さん作品展

 鳥取市気高町勝見にある長泉寺の3カ所のギャラリー(観音ホールなど)で、「岩垣正道板画展」が開かれた。襖(ふすま)4枚分の「和歌三題」の大作や、西国三十三カ所三十三観音の掛け軸など100点が展示され、作者の人柄が感じられる包容力のある癒やしの空間を演出していた。

 岩垣さん(82)は同寺に生まれ現在、岡山県真庭市の「板画寺」として知られる曹洞宗毎来寺の住職を務める。欧米など海外でも個展を開催して国内外で高い評価を得ており、2020年に同市文化賞を受賞している。

 初日(13日)には、オープンセレモニーとしてギャラリートークがあり、町内外から約100人が参加した。

 「もともと絵が好きだったが、約半年かけて般若心経の262文字を初めて彫ったのをきっかけに、45年間創作活動を続けている」と岩垣さん。ユーモアも交えて3カ所のギャラリーを移動しながら、作品を1点ずつ解説した。

 板(木)に対するリスペクトを込めて彫られた作品は、棟方志功の心に通じるものがあり独創的。ダイナミックな造形美、力強さの中に優しさが漂う作風になっている。

 来場した鈴木みどりさん(67)は「センスがあり、全てモダンでおしゃれ。画伯の楽しい話も聞けてすてきな時間でした」と感激していた。

 岩垣さんは「ふるさとの生家で、ギャラリー展示できるとは夢にも思わなかった。プロではなく趣味で彫ってきたが、皆さんに喜んで見ていただけたらうれしい」と笑顔で語った。

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