悠仁親王「国立大進学」に秘められた問題の数々

  •  現代象徴天皇制の研究で知られる名古屋大大学院准教授の河西秀哉さん

 秋篠宮家の長男悠仁親王が、筑波大生命環境学群の推薦入試に合格し、2025年4月の入学が決定しました。進学先については、週刊誌やネット上で大きな話題となっていました。「皇族であることで特別扱いを受けたのではないか」との疑念が指摘されたからですが、それはともかくとして、私は皇族が国立大に進学すること自体に大きな問題が秘められていると思います。今回は「皇族の進学」をテーマにして考察してみます。

 ▽自由の制限は天皇制の制度上仕方がない

 まず大前提として、人は誰しも自由がありますので、学びたい学問のために行きたい大学に行くことは私も賛成です。しかし、皇室の人々は私たち一般の人々と違って、さまざまな制限があるのも事実です。そして、そうした制限を受けるのは、天皇制という制度がある以上、仕方のないことだと思います。以下、その理由を説明しましょう。

 皇族にはそもそも、職業選択の自由はありません。男の子に生まれれば、皇位継承順位にしたがって天皇にならなければなりません。居住移転の自由もありません。警備上、基本的には皇居内や赤坂御用地などに住む必要があります。

 天皇や皇族が思いのままに自由な行動ができれば...

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