【香山リカ てのひら診察室】リベラル派教皇の後継者は誰に?

  •  香山リカ

 ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が、4月21日、88歳で亡くなった。アルゼンチン生まれでイタリア系移民家庭出身のフランシスコは、「弱者、貧者のためのカトリック教会」であることや多様性を大切にするリベラル派だとされてきた。

 言うまでもなくローマ教皇は全世界で13億人以上といわれるカトリック信徒の最高指導者だが、宗教の世界にとどまらず国際世論の醸成に大きな影響力を有している。その発言や行動はニュースで報じられるだけではなく、最近はSNSによりリアルタイムで全世界に向けて発信されるので、従来にも増して、世界の人びとの心理、とくに情緒を揺さぶる傾向が強まっている。

 フランシスコは自身の信念に基づき、ときには国際政治にかかわる発言をすることも辞さなかった。2016年の米大統領選ではメキシコ国境に壁を造るとしたトランプ氏の公約を「橋を架けることを考えず壁を造る人はキリスト教徒ではない」と批判した。最近では、イスラエルから攻撃を受けるパレスチナ自治区ガザの悲惨な人道状況を憂慮して戦争継続を批判し、毎晩、同地区の教会に電話をし続けていたという。

 今後、枢機卿という地位にある人たちが非公開で選...

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