鳥取砂丘砂の美術館(鳥取市福部町湯山)で25日、第16期展示「砂で世界旅行・日本編」が開幕する。24日は関係者向けの内覧会があり、富士山や浮世絵、黒船の来航など、日本の自然や文化、歴史を表現する砂像19体が公開された。
今期のテーマは、13日に開幕した大阪・関西万博にちなんで日本が選ばれた。最大規模のメイン砂像は、世界遺産の富士山・姫路城・清水寺が再現されており、大きさは高さ5メートル、幅20メートル。日本神話を描いた砂像では、スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治する名場面を躍動的に描いている。
江戸時代のコーナーでは、歴代の徳川将軍や、町人文化が華やかな日本橋の風景を紹介。参勤交代の様子を再現した砂像では、当時の装束などを緻密に再現した。かごには、鳥取藩主池田家の家紋「丸に揚羽蝶(あげはちょう)」が彫られており、繊細な造形美を楽しめる。
今期は世界12カ国から20人の砂像彫刻家が参加。約3千トンの砂を使い、2週間~1カ月の制作期間で仕上げた。茶圓勝彦総合プロデューサーは「力強さと繊細さを併せ持つ砂像の造形を通して日本文化の神髄を感じてほしい」と語った。
25日は午前9時から開館する。会期は来年1月4日までで、年中無休。