自分に限界置かないで 「東大8年生―」話題 タカサカモトさん(鳥取市出身)

 鳥取市出身で、埼玉県を拠点に主にプロサッカー選手に語学や異文化コミュニケーションを教えているタカサカモトさん(37)の自伝的エッセー「東大8年生 自分時間の歩き方」(徳間書店)が話題となっている。直感で動く抜群の行動力がある一方で、挫折も多く、まるでジェットコースターに乗っているような生き方。そんな中で自分に合った幸せの形を見つけていくタカサカモトさん。「鳥取にいてもどこでも行けるし、鳥取人だからと、自分に限界を置かないでほしい」と若者にエールを送る。

 タカサカモトさんは2004年に鳥取西高から東大に進学。東京と鳥取の時間の流れ方の違いに戸惑った。相談した教授に「自分の時間を生きればいい」と言われ、それを貫いた。結果的に3度の休学を経て8年がかりで卒業した。

 在学中、メキシコに留学し、タコス屋で働き、人生経験を積む。帰国後、インターネット上でサッカーのブラジル代表ネイマール選手のドリブルを見たことをきっかけにブラジル移住を計画し、卒業目前に渡航。名門サッカーチーム・サントスFCに、働きたいと飛び込みでプレゼンテーション。移住は実現しなかったが、鳥取市でリモートによる広報担当の仕事を得た。

 12年春、東大卒業と同時に結婚した妻と鳥取市にUターン。サントスFCの仕事の傍ら、小学生から大人まで誰もが通える学校でも塾でもない空間「寺子屋」を作った。

 サントスFCの仕事は直属の上司が退職したタイミングで終了したが、サッカーとの縁は切れなかった。ネイマール選手とは、FCバルセロナに移籍後も来日した際にアテンド通訳を任され、ガイナーレ鳥取でも外国人選手をサポート。さらに、22年W杯カタール大会日本代表の遠藤航選手に語学や異文化コミュニケーションをオンラインで指導することに。遠藤選手の紹介で、19年W杯ロシア大会日本代表の原口元気選手も生徒になった。

 現在は、さいたま市で妻、長男(7)と暮らし、海外で活躍を目指すサッカー選手を対象に、完全オーダーメード、マンツーマンで教えるオンライン事業を展開している。

 著書については「10代に読んでもらいたい」とし、人口最少で多種多様な課題を抱えている鳥取県を「課題先進県であり、課題解決のトップランナーとなる可能性を秘めている」と指摘。その上で「首都圏や海外を知る鳥取人として、課題解決のために自分ができることを模索し、訪問者や移住者が増えていくような活動を細々とでも続けていきたい」と話した。

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