「天満天神えーる」誕生 ご当地ビール 地元商店街有志が開発

 天神橋筋商店街にご当地クラフトビール「天満天神えーる」が誕生した。コロナ禍で活気を失っていた同商店街で商売を営む有志が強力タッグを結成。「地域の手伝いができれば」とご当地ビールの開発を計画した。そしてついに「天満天神えーる」が出来上がった。

 「天満天神えーる」は大阪天満宮の御神水を使用し、大阪昆布でうま味を醸す。“言い出しっぺ”は藤井寺市でビールを醸造し、「河内乃えーる」のブランドで販売している「大阪渋谷麦酒」の渋谷香名さん(50)。渋谷さんは同商店街で江戸時代から続く布団屋の嫁で、さかのぼること4代目が日本人の手で初めて国産ビールを造ったという家系を受け継ぎ、ビールを造り始めた。

 渋谷さんは「天満天神の地元のビールがなかった」と、使命感と地元愛で活動を開始。3月13日に200リットルの御神水をくみ、その翌日から仕込みを始めた。「一発勝負。すぐに味は決まった。ぶれなかった」と4月上旬に第1弾が出来上がった。

 今月19日に天神橋2丁目の「和伊バル たなかキカク」であった試飲会に参加した松永政幸さん(84)は「普通のビールではない癖がある。軟らかい味でピリッとくる」と話しながら喉を鳴らす。障害者施設を経営する野邑浩子さん(39)は「和食、中華、フレンチ、何の食事にも合う」と味に太鼓判を押した。

 一度見たら忘れられない「おばちゃんラベル」は大阪を代表する絵本作家の長谷川義史さんがデザイン。今月末までクラウドファンディングも実施中で、渋谷さんは「天満天神えーるで乾杯してほしい」と協力を呼びかける。

 一般発売は7月23日からの予定。現在は2回目の仕込みを行っている最中で、「まずは2丁目、3丁目の商店街を中心に飲んでもらう」。330ミリリットルで700円。渋谷さんは「大阪を盛り上げたい。商店街に恩返しできれば」と意気込む。

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