スウェーデンには、若者しか入れない「ユース党」がある。彼女、彼らの活動が母体となる政党に影響を及ぼし、新たな法律が生まれている。社会経験が少ない一方で世代特有の悩みを持つ人々の声が、政治に反映されやすい仕組みが機能しているのだ。なんと、環境党のユース党の党首は23歳(取材時)。なぜ政治に身を投じ、どんな思いで活動しているのか。昨年の9月スウェーデンの総選挙期間中に現地取材した。前編に続き、「かなり驚かされ、かつ学びたくなる事実」について紹介したい。
▽次世代の育成機関
環境党ユース党のレベッカ党首の両親は政治にはあまり関心がない。本格的に「まつりごと」に携わる活動をしているのは、家族で初めてのことだ。なぜ関心を持ったのか。
「私が政治に関わり始めたのは、15歳の時で、2014年の選挙が終わった後です。気候変動は深刻な問題であり、自分の行動が環境を破壊していると知りました。また男女平等が比較的進むスウェーデンでも、まだ問題が多いことに気づきました。そして人種差別的だと感じた政党が、選挙でこれまでの2倍の票を獲得し、この国を変えなければと思い、環境党のユース党に入りました」
中央党ユース...