子どもたち待望の夏休みシーズンに突入し、大阪市内では恐竜の魅力に迫る展覧会がにぎわっている◆自然史博物館（東住吉区）で開かれている「恐竜博２０２３」の主役は、鎧（よろい）竜類ズール。植物をはむだけの四つんばいとあなどるなかれ。トゲトゲの皮骨や強力な武器となった尾のこん棒を全身実物化石で間近に見れば、地味なイメージは一瞬で消し飛ぶ◆大阪南港ＡＴＣギャラリー（住之江区）の「化石ハンター展」では、著名な化石ハンターのロイ・チャップマン・アンドリュース（１８８４－１９６０年）らの研究成果を紹介している。３２０万～５００万年前の地層から発見された大型の哺乳類チベットケサイの全身骨格復元標本は世界初公開になる◆二つの展覧会の共通点が恐竜以外にもう一つ、ハリウッド映画にある。鎧竜ズールは、お化け退治でおなじみの『ゴーストバスターズ』に登場するキャラクターの顔に似ていることが名前の由来。化石ハンターのアンドリュースは、１５年ぶりの新作が話題の『インディージョーンズ』シリーズの主人公のモデルの一人ともいわれる◆まずは博物館に行くか、はたまた映画館にするか。学校生活では味わえない体験をと思案しながら、子どもよりわくわくしている親がここに。（北）
潮騒 ２０２３．７．２４
