先週、財務省から今年6月分の貿易統計が公表されました。これによれば、輸出金額が前年同月に比べて1.5%増加する一方で、輸入金額は12.9%減ったことで、輸出から輸入を引いた貿易収支は430億円の黒字となりました。
輸入金額の減少は資源価格が下がったことが主因です。そして、こうした貿易収支の黒字は一昨年7月以来のことであり、実に約2年ぶりに貿易黒字に転じたことになります。なお、季節調整値では依然として0.5兆円強の貿易赤字なのですが、赤字額は前の月から28%以上減少しており、交易条件が改善している姿に変わりありません。
こうした貿易収支の黒字転換は、資源価格の低下が日本経済にプラスに寄与し始めていることを意味しますが、これまで停滞していた輸出に反転の兆しが出てきたことも注目でしょう。というのも、物価変動の影響を除いた実質輸出は増加に転じており、主に半導体不足の緩和などにより自動車関連の輸出が急速に回復しています。加えて6月は、一般機械や電気機器といった自動車以外の加工組立製品の輸出も増加に転じました。
こうした動きは、先月末に経産省から公表された5月の鉱工業指数で製造業の在庫調整進展が...