“いまチケットが最も取れない講談師”として大人気の神田伯山が新著「講談放浪記」(講談社、1760円)の発売を記念し、東京・新宿末広亭で記者会見した。
名作講談の舞台となったゆかりの場所を訪ねて、物語としての魅力を紹介。師匠である人間国宝の神田松鯉との対談も収録している。「講談の入り口を広げることを重要視してきたので、また一つそのための本ができたと思う」と胸を張った。
伯山はテレビやラジオでも活躍。自身の講談界への貢献度を問われると「絶大だと思う。とんでもないレベル」と笑わせつつ「運や巡り合わせで僕がそういう役割をしているだけであって、師匠や先輩、後輩たちが一丸となってやっている。人間は役割をやらないと業界が潤わない」と力説した。
出版にまつわる苦労について「『講釈師 見てきたような うそをつき』という言葉があるけれど、うちの師匠は『講釈師 見てきた上で うそをつき』とよく言っている。講談は歴史を扱うので現場に足を運ばないといけませんが、現地に行くのが大変だった」と振り返った。一方で「聞き書きで、しゃべっているだけなので楽でしたね。弟子に書かせるイエス・キリスト方式」と毒をまぶすのも忘...