第105回全国高校野球選手権鳥取大会の決勝が行われた25日、米子市のどらドラパーク米子市民球場の一塁側スタンドには、鳥取商業高の生徒や保護者ら200人以上の応援団が集結した。声出し応援がコロナ禍を経て復活し、白熱の攻防を繰り広げる選手を鼓舞。2年連続の甲子園出場が決まると、緑に染まった一塁スタンドは歓喜に沸いた。
気温35度を超える猛暑日だったが、応援団は負けずに大声援を響かせた。野球部員の神西陽太さん(17)=2年=は声を張り上げて応援を先導。試合終了と同時に膝から崩れ落ち、大粒の涙を拭った。「2連覇を目標にずっと頑張ってきた。このチームならできると信じていた」と喜びをかみしめた。
同校の吹奏楽部は、県内で唯一マーチングを採り入れた高校生バンド。色鮮やかなフラッグを使い、躍動感のあるパフォーマンスで選手を後押しした。小川菜月部長(17)=2年=は「素晴らしいチームを応援できて感謝しかない」と勝利を喜んだ。
昨年のチームで主将を務めた久城洸太さん(19)らOBも応援に駆けつけた。「甲子園を経験したメンバーもいる。悔しさをばねに初戦突破を」と後輩にエールを送った。
同校野球部の保護者会長で金山将大選手の父、賢司さん(56)は「どう転ぶか分からない展開だったが、選手とベンチ、スタンド全員でもぎ取った勝利。昨年届かなかった甲子園での1勝にぜひ期待したい」と語った。